これには2つの方法があり、乳がんの手術と同時に行う1期再建と、術後、時期をおいて行う2期再建があります。
それぞれメリットとデメリットがありますので、患者さんは事前にしっかり医師と相談した上で再建時期を決定しましょう。
@1期再建
乳がんの手術と同時に乳房再建手術を行ってしまう方法です。
この場合一回の手術で済むので再度手術をして傷跡を開くことが不要ですし、術後に自分の乳房がなくなってしまうという経験をしなくて済みます。
しかし、乳がんの手術を行うというだけで不安な精神状態の中で乳房再建のことを考えなければいけないという負担を、患者は二重に強いられることとなってしまいますし、費用がとても高額なことです。
それは再建手術は治療という観点ではないため患者の希望によって行われる手術です。よって保険が適用されない自由診療扱いになります。
乳がんの手術自体は保険診療なのですが、自由診療と保険診療の混合診療は基本的には認められていません。そのため乳がんの手術と同時に再建手術を行った場合患者の自己負担となってしまいます。
乳がんの治療後、しばらくして局所再発が認められてしまった場合せっかく再建した乳房をまた切除しなければいけないということも考えられます。
また乳がん手術を行う担当医が再建手術を行う形成外科医と連携して行う場合が多いので(そうではない場合もあります)、患者との日程調整など調整が必要なことが多くなるというデメリットもあります。
A2期再建
乳がん手術を行った後、基本的には術後何年たってしまっても希望すれば手術が可能です。
乳がん治療後にゆっくり時間をかけ精神的にゆとりをもった状態で手術に望むことができます。そして乳房切除の手術から時間をおいているので傷が落ち着いておりより形のよい乳房を作ることが可能です。
また局所再発が乳房切除後認められたとしてもその後に再建手術を行うわけですから、 1期再建のようにせっかくの再建した乳房を切除するという事態を防ぐことができます。
しかし、再び傷跡をつけてしまうことや、乳房切除後しばらくたってから再建費用が必要になってしまいます。
このように再建手術には患者が選択しなければならないことはたくさんあります。
いつ行うか患者自身がしっかり情報を収集し、後で後悔することのないように納得して手術に取り組むことが必要でしょう。